「面倒 見る」
なんか、不思議な心理だなぁと思ったので、書いておきます。
以前、個人事業主として常駐していた会社の上司は、元々私がその会社に派遣で入ったということもあり、外注になっても、毎月の固定費はなんとかしてくれていました。
新しく取引をすることになった会社の社長はぽろっと、他の会社に常駐しているんじゃ、
毎月面倒見なくてもいいから気楽でいいね
と言いました。まるで
都合のいい女
の様ですね。
そして今の取引先でも、お金の話を誰とするのかで時々揉めます。仕事は振るけどお金の話は別でして。それでいて値切られたりすると、
ものすごい疎外感を感じます。
増田セバスチャンさんのこの言葉には、本当に腹落ちしました。
「まったくの他人が自分の作品に対して
買う、買わないというダイレクトな評価
をしてくれる継続的な場所だから、ショップという表現媒体に活動を移した」
デザインの仕事も作品も同じで、お客様が価値を感じてお金を払ってくれてやっと、商品として成り立つものです。それをね、
値切るとはなんぞやと。
そもそも価値を感じてないのなら買っていただかなくて結構、という解釈も出来るんです。
個人でやっていながら、私はショップで言うところの販売が大の苦手なんですね。販売というよりも、
人様にお金を払っていただくという行為が苦手。
だから本来、個人で仕事なんて出来るタイプではないのかもしれませんが、そこは心を鬼にして毎月請求処理をしています。けれどもなるべくならば、価値を認めてくださった人に、
気持ちよく払っていただきたい。
その点、会社員ともなると、その商品価値を認めて、継続的に面倒を見てもらえる立場になるわけじゃないですか。前社では、派遣、常駐外注、契約社員として働きましたが、私としては派遣が一番やりやすかったです。
始めての独立、それまで給料でお金のストレスは感じたことがなかったけれど、独立をして散々な思いをしました。
価値を感じていないのに仕事を振って来る人とか、フリーを都合よく捉えたお金払いの悪い人に、責任を持って、自分の価値を自分で説明するのは、本当に骨の折れる行動でした。それで精神病んでしまった同僚は多々いました。
誰も守ってくれない
自分で自分を守るしかない2年間が過ぎ、所属欲の感じるままに、契約社員になりました。けれどもこれも間違いだった。守ってはくれるけど、その分、会社にとって、かわいい、
言う事を聞くマスコットでなければいけない。
1つの箱の人間関係に一喜一憂させられながら言う事を聞くマスコットでなければいけないのも嫌、かといって、自分で自分の価値を伝えつづけなければいけない孤独なフリーも嫌、そう思っていたところの、モジュール型ワーキングでした。
結局、私が言いたいのはこういうことの様です。良い作品を生み出すためにも、
精神的な安定剤は必要。
だからこそ今やっている様な安定した岩(週2派遣)は必要。岩から海へ飛び込み、荒波にもまれるも、船に乗り込むも、その時その時の気持ちや考え次第で方向展開していけばいい。それが自分の働き方なのだと改めて確信したということ。
そしてやはり人間心理としては、
誰かに守られたい
依存したい
面倒を見てもらいたい
という思いがあるということ。
フリーでやっていると強い人に見られがちですが、
人間だもの、守られたいですよ。
まわりは、結婚してるんだからお金のこと気にしなくていいからいいよねなんて言いますが、それとこれとは別。もちろん、精神的な安定はあるかもしれないけれど、お金でそんな安易なことは言ってられないのが現実です。
少しだけ、依存をしてもいい岩を持ちながらも、岩から飛び降りてどの方向へ行くかは、自分次第というのが今の環境なんですよね。