「陰と陽 金と創作」
難儀だなぁ、と思うんです。
この半年で、いろいろな流れと結果を見て来たから、一概に、どっちが悪いと言えない、愚痴にならないのがまた、難儀な行き止まり感なんですけども。
私の価値観は、
良いものをつくりたい。
良いものをつくるためなら、投資も考える。
発想を押さえつけることがとにかく弊害になる。
作品が世に出ることが目標。
対して、担当の価値観は、
良いものだろうが悪いものだろうが、儲かればそれでいい。
つくりもの自体には何の興味もない。
つくるものがどうであろうが投資は最小限に。
金が全て。
創作する心と金を稼ごうとする心って、ものすごく対極なんですよね。
私は確実に前者なので、だからこそ、お金のことで創作意欲を削ぎ落とさないように、生活費や良いものをつくるための投資金を、何も考えずに出来る仕事で稼ぐことにしています。
前社でもまた、同じような対極の狭間にいました。
元上司は金の人。対して、会社の殆どが、創作の人。
だから、会社の人たちに話を聞くと、創作の人たちは皆口を揃えて、元上司は心がない、作品のことを考えてないと言う。対して元上司は、この会社の人らは金の感覚がなさすぎると言う。
どっちも納得。
少なくとも、この元上司のおかげで、私には最小限の稼ぐという意識がついたと思う。けど最終的に、私は創作の畑に戻りたくなった。けれどもこの会社の創作の人たちは創作への思いが強すぎて、それもまた、私にはついていけなかった。結果、この会社は、高額のビジネスをするというブランドとしてまとまっていた。
だからこそ品質を上げるための意識をこの会社から学べたのだと思うけれど、その下の下を行く取引先にこれを理解させるのは至難の業。そもそも理解させようとも思っていない。
話を元に戻すと、時に私はこう思う。
夜な夜な一人で辛い思いをしながら作った品。
市場の反応があまりに良く、やっと重い腰を上げた取引先。
こっちの苦労なんて見ぬ気もせず、儲けることしか考えていない。
これで儲けて外車を買う。
とか、ジョークであっても浮かれている姿を見ると、
お前何もやってねえだろ。
調子に乗ってんじゃねえよ。
なんて、思ったりする。
ただ、私の目標は、作品が世に出ること。
世に出るためには、それ自体がビジネスでなくてはならない。
私は、生み出す人。
生み出すにはポジティブ思考が何より大事。
それをイメージにするならば、頭をパカーっと解放して、何の抑圧もなく、羽ばたかせる感じ。全ての可能性を肯定的に捉え、どんどん広げていくイメージ。
その為、頭を固にして金の事を考えるのは苦手。
金の事を考え始めた途端、パカーっと開いた頭が閉じ切ってしまう。
対して担当は、金の人。
品がどうであろうが、これだけ反響があるなら儲かるだろう。
投資は最小限に、利幅をいかに広げられるか。
そもそもセンスが物凄く悪いから、いいものの作り方がわからない。
自分がやったものが全くダメで、事業の継続危機にあったのを
私が救ってやってるのにも関わらず、劣等感の塊なので、素直になれない。
とにかくまぁ、ディスれる事しかないようなちっさい輩なのだけど、業界の知識やコネクションがこの会社の中で一番あるのはこの数ヶ月でよくわかった。要するに、言いたいことは山ほどある。けれども、ここで感情的にディスりまくった所で、私にメリットはない。とりあえず、この事業が形になるまで、論理的に物事を考えるべきだというのが今の判断なのだけれども、あまりに腹が立ったので、ここで吐かせていただきます。
おいコラ。
顔もセンスも悪いと思ったら性格まで悪いとは取り返しつかねえな。
淡々と理屈こねてスマートな自分に惚れ惚れしてんのか知らねえが、
提案された事を真っ向から否定する筋合い、お前には一切ないことを肝に銘じておけ。
私は物凄く口が悪いです。
それを一生懸命抑えながら、ビジネスをするように努めております。
それにしても、私は本当に否定されるのが大嫌いだなぁ。
何しろ、好き嫌いの判断の前に、
地雷
なんですよね。
否定されると何しろカッとなる。
あまりにその怒りが強いので、「否定 カッとなる」で検索したら、
って出て来た。すごいなぁ。85%くらい当てはまる。特にここら辺。
「身近な人以外には饒舌で愛嬌をふりまき道化を演じる」
「自分の精神的な安定に"周囲の他者の言葉や行動が自分を否定しない"ということを必要とするため、普通に生活することが非常に困難で、日々の生活に他の人には想像も出来ないようなエネルギーを必要とする。その結果引きこもりになることも多い。」
幼い頃に充分子供らしくいることが許されなかったこと
過干渉に支配され自由に生きることが出来なかったこと
などが原因とか。
身に覚えがあり過ぎる。
前にも書いてまだアップしていない文があるのだけど、やはり事が起こったのは小学校3、4年頃の時。それまで何の問題もなかった子供時代、父が起業してから何かがおかしくなった。
3、4年間、父が不倫をしている間、それを察したのだか、私もおかしくなって来て、小学校では気の強い子に支配され、不登校になった。確か家では父と母の会話ひとつなく、私は常に2人のご機嫌取りをしていたと思う。時間軸は忘れたけど、いつか我慢できなくなった母が、「お父さんには女がいるの!!」と目の前で泣き崩れ、私が「お父さんを返せ!!」と叫んでからずっと、こんなことあなたにしか言えないからと、母は私に相談し続けた。
まだ小学生。
一人っ子の私が心も体もハグ出来たのはペットだけ。
人を頼っちゃいけない
信じちゃいけない
何があっても笑っていよう
道化を演じ始めたのはこの時からだった。
時は経ち、離婚して結局一人になった父は末期癌になり、たった一人の家族である私が世話人、喪主をした。こうして強い私、独子が生まれて行く。
何が言いたかったかと言うと、確かにその気はあるのかも知れないし、否定されるのが致命的過ぎて生きにくいと思ったことがあるのも確か。けど、だからこそ"ありのままの自分"を解放出来る今の生き方を見つけられたわけだし、自分がありのままの自分を理解して受け入れてあげられればそれでいい。
何しろこの、ディスりたい人にわかって欲しくて訴えようとする怒りの感情を、何故自分はこんな思いをするのか?と
自分を理解する労力に
使えるようになった思考回路
に満足したい。
私が否定的なもの言いにすぐカッとなったり人一倍傷ついたりするのはしょうがない。それも含めてありのままの自分。相手を変えようとするのではなく、自分を理解してあげれば、根本的な解決に繋がるかもしれない。今回もグッとこらえてよく頑張った。